大統領令に署名するトランプ氏

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トランプが乱発する大統領令を一覧にまとめて分かりやすく解説

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今、世界では何が起こっているのか?

世界を巻き込んだアメリカの大変革がいよいよ走り出しました。トランプ氏が大統領に就任してからというもの、連日の大統領令の署名で、世界の向いている方向とは反対の方へ1人で爆走しているように見えるアメリカ。

誰にも取り上げられないひっそりとしたものから、中には戦争の大義名分を与えかねない過激なものまで、これまでに出ている大統領令をまとめてわかりやすく解説しました。

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大統領令とは

大統領の伝家の宝刀。議会をスルーして連邦政府や軍に法律と同価値の命令を直接発令することが出来ます。しかし、議会や最高裁判所にも対抗する手段がある他、あまり連発しすぎると独裁者の誹りを受け、野党の反発を招くことになるので諸刃の剣でもあります。

20日から改革に関する大統領令の連発で10日で15回。このペースで大統領令を連発していたら単純計算で年に5400回の計算です。

歴代大統領の大統領令発令の数

  総数 年平均 
ワシントン 8 1.00
J.アダムズ 1 0.25
ジェファソン 4 0.50
マディソン 1 0.13
モンロー 1 0.13
J.Q.アダムズ 4 1.00
ジャクソン 11 1.38
バン・ビューレン 10 2.50
W.ハリソン 0 0
タイラー 17 4.25 
ポーク 19 4.75
テイラー 4 3.20
フィルモア 13 4.73
ピアース 35 8.75
ブキャナン 15 3.75
リンカーン 48 12.00
A.ジョンソン 79 19.75
グラント 223 27.88
ヘイズ 92 23.00
ガーフィールド 9 18.00
アーサー 100 30.77
クリーブランド 113 28.25
B.ハリソン 135 33.75
クリーブランド 142 35.50
マッキンリー 178 37.47
T.ルーズベルト 1,139  157.10
タフト 752 188.00
ウィルソン 1,841 230.13
ハーディング 487 187.31
クーリッジ 1,259 233.15
フーバー 1,011 252.75
F.ルーズベルト 3,728 302.35
トルーマン 896 116.82
アイゼンハワー 486 60.75
ケネディ 214 73.29
L.ジョンソン 324 63.78
ニクソン 346 61.79
フォード 169 70.42
カーター 320 80.00
レーガン 381 51.13
G.H.W.ブッシュ 166 41.50
クリントン 364 45.50
G.W.ブッシュ 291 36.38
オバマ 276 34.50
平均 739.50 75.83

過去最高に大統領令を発令したのは世界恐慌のニューディール政策や第二次世界大戦参戦で有名なフランクリン・ルーズベルト大統領。計3,728回、年平均302.35回でした。

オバマ大統領は276回の年平均34.50。

さすがにトランプ大統領が年5400回の大統領令を出すことはありえませんが、就任して10日でこの数は世界恐慌~第二次世界大戦クラスの大きな転換期を迎えているとも考えられます。

それでは、トランプ氏が就任してからの怒涛の大統領令を順番に見て行きましょう。

2017年1月20日

1.新規規制の導入の凍結

1月21日署名。

新しく規制を1つ作る為には、古い規制を2つ撤廃することを義務付ける大統領令です。

「製造業への規制簡素化」と「連邦政府の新規雇用凍結」に紐づいて、民間企業と連邦政府共に人員コストも削減しようという狙い。一方で、過激で実現性に乏しく、「国を守る」というアメリカ政府の役割が失われて長期的な損害を与えるという意見もあります。

規制の2対1の交換が実際に行われるかどうかは、「現在調整中」とのこと。

2.オバマケアの経済的負担軽減

1月21日署名。

医療保険制度改革法(オバマケア)は、公的医療保険や会社の民間医療保険にも加入していない多くの国民に医療保険を提供することを目指した制度。トランプ氏はこの制度を欧州型の社会主義的な医療制度につながり、財政も圧迫するとして一刀両断。それを撤廃し、代替え案をスピード可決する動きの第一歩です。

オバマケアの規定のうちお金がかかる内容の実施を、使える手段は全て使って見送ったり、先送りしたりする内容。

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2017年1月23日

3.TPP(環太平洋経済連携協定)からの離脱

1月23日署名。

今のところ日本に直接影響しているのがTPP離脱。

TPPの推進は、日本がそれなりの発言権を持った「グローバル・ガバナンス」の立ち上げが目的でしたが、アメリカの離脱であえなく頓挫の見込み。逆に、アメリカを必要としない、日本がリードする新しい貿易協定を起こすチャンスとする見方もあり、日本国内では政府の動向に注目が集まっています。

個人的には、何年も予算と話し合いを重ねて積み上げてきた計画なので修正も難しいでしょうし、このままアメリカを覗いた11ヵ国で協定を結ぶ方向に行くのではないかと思っています。

グローバル・ガバナンス(英: global governance)

合意を執行する権力が存在しないとき、一国あるいは一地域以上に影響を与える問題を解決することを目的として国境を越えた主体の政治的相互作用を指す。 世界的な統治の課題は国際化の文脈に存在している。

4.連邦政府機関の新規雇用の凍結

1月23日署名。

近年、連邦政府職員が劇的に拡大したことへの対抗策として発令。軍などの治安維持関係者は対象外として、新規ポストの新設及び新規雇用を凍結しました。日本で言う議員削減、公務員給与削減みたいなものです。

アメリカでも、お上だけがどんどん肥えていく官民格差は問題になっていて、政府側は「納税者を尊重する」というコメントを残しています。

5.人工妊娠中絶に携わる海外のNGO(民間団体)への連邦資金の援助を禁じた政策を再開

1月23日署名。

女性の「選ぶ権利」を重視して中絶に賛成か、宗教的な価値観を重視して反対か。性犯罪や未成年の性の乱れの問題から、アメリカ内部でも特に意見が割れて激しく変遷を繰り返している政策のひとつです。

この連邦資金援助が始まったのはレーガン大統領時代(1980年~)。その後、クリントン大統領時代(1984年~)に廃止、ブッシュ大統領が復活、オバマ前大統領がまた廃止、そしてトランプ大統領がまた復活、という流れ。

トランプ氏が「女性蔑視」で騒がれるのはこの辺りの話ですね。日本には宗教的な価値観が根付いていないので、女性の人権と宗教観がかち合うのがあまり理解が進まないかもしれません。

2017年1月24日

6.製造業関係の法規制の簡素化

1月24日署名。

政府からの国内製造業に対する各種承認や規制をめぐる手続きの簡素化。直近の署名の中では珍しく歓迎・支持された大統領令です。

これがもう今はとにかく複雑でややこしくて、時には年単位で時間がかかることもあるんだとか。日本でもありますよね。手続きが長引けば長引くほど人件費やらなんやらでコストがかかりますし、出足が遅くなって機会損失を被ることも少なくありません。

トランプ大統領の話題の中でもひときわ明るいニュースですが、こういうのはメディアではあまり取り上げられないんですねー。

7.ダコタ・パイプラインの建設を承認

1月24日署名。

カナダから米メキシコ湾に原油を運ぶ「キーストーンXLパイプライン」などの建設を推進する大統領令に署名した。

(中略)

「キーストーンXLパイプライン」のための資材置き場(米ノースダコタ州)=ロイター  トランプ氏はキーストーンの建設を再申請するよう企業に促すとともに、米中西部を通る「ダコタ・アクセス・パイプライン」についても承認の手続きを進めるよう省庁に指示した。

建設によって「2万8千人の雇用を生む」(トランプ氏)としたほか、地方の税収が向上することでインフラ投資の財源となると指摘。エネルギー安全保障の強化にもつながるとしている。

トランプ氏、原油パイプライン建設へ 大統領令に署名 (写真=ロイター) :日本経済新聞 より引用

オバマ大統領が2015年11月に「地球温暖化するからダメだよ」と却下していたパイプラインの建設を承認。

実際多くの雇用が生まれますし、エネルギー問題もトランプ政権の重要な課題になっていますので、「待ったなし」でしょうね。環境より経済効果ってなんだか前時代的な気がしますが、「地球温暖化は詐欺だ!」って言いきった男ですからね。

この大統領令は、世界終末時計を5秒ぐらい進めたかもしれません。

8.キーストーンXLパイプラインの承認

1月24日署名
「ダコタ・アクセス・パイプラインの承認」に同じ。

9.パイプラインには米国製の資材を使用する

1月24日署名

トランプ大統領は、米国内で建設されるパイプライン建設に米国製の鉄鋼製品を利用する必要があるとする大統領令にも署名。

トランプ、石油パイプライン建設促進 大統領令に署名 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト より引用

といった感じで、ダコタ・パイプライン承認のおまけみたいな感じで報道されている大統領令です。

「アメリカの建設で他国の貴様らがおいしい思いが出来ると思ったか?」という声が聞こえてきそう。さすが徹底的なアメリカ・ファースト!!

インフラ整備の迅速化

1月24日署名。

大統領令の中でも、ひたすら存在感の薄いやつです。正確には、優先順位の高いインフラ整備に関わる環境影響調査のスピードアップ。他の項目のインパクトが強すぎてほぼ忘れられています。内容も文面のまま。

2017年1月25日

10.メキシコ国境に壁を建設計画

1月25日署名。

本当にやりましたよ。むごい。メキシコむごい。当然、メキシコ側は払わないと言っています。

しかし、これに対してアメリカは「メキシコに20%の関税をかけて建設費を捻出する」と主張。主導権は完全にアメリカ側にあるようです。この話が実現すると、どっちに転んでもメキシコの損失はトンデモナイことになります。戦争の火種には持って来いの案件ですね。

いつでもやるぞ!と言わんばかりに27日には軍備強化の大統領令に署名。

11.不法入国者を国外退去

1月25日著名。

犯罪歴のある不法入国者を国外退去させると公言していた政策の第一歩です。入国管理の人事など、細々とした内容がいろいろあります。その中でも一番目を引くのは、この方針に非協力的な都市に対する財政支援の断絶でしょう。

アメリカには不法入国者を保護するサンクチュアリシティなるものがあります。

1979年、ロサンゼルスが警察が逮捕した外国人の移民的地位を尋問することを禁止。それに続いて、警察が移民状況を調べる目的で活動することを禁止、不法入国した個人を警察が逮捕または記録することを禁止、市の公務員及び警察官が入国者の身分を尋ねることを禁止するなど、「聖域条例」と呼ばれる条例によって不法入国者を保護する都市が次々と現れました。

それらは移民に寛大な政策を実施する都市として「サンクチュアリシティ」と呼ばれています。

このサンクチュアリシティに対して、「犯罪歴のある不法移民を追い出すことに協力しなければ、連邦政府は地方にお金を払わない」という脅しをかけているわけですね。

2017年1月27日

12.シリア難民受け入れ凍結

1月27日署名。

難民受け入れを120日間全面凍結し、シリア難民の受け入れを無期限で停止する大統領令です。

人権問題で一番過熱しているところですね。

これを受けてアメリカ内部では猛反発が起こり、空港ではデモ騒ぎが起こっています。さらに、問題は国外にも飛び火し、著名人たちがこぞって反対のツイートをしたり、イギリスではトランプ氏の公式訪問に意義を唱える呼びかけに160万人が署名したり。

ここまで非難が殺到しているのは、世界の動きに逆行しているからでしょう。

シリア難民は2011年にシリアで発生した内戦がきっかけで、難民が増加。現在は500万人を超えてるとみられています。

これを受けて、世界各国はシリアの難民を受け入れる姿勢で臨んでいました。一番受け入れているのはドイツ。2016年10月末までに45万人もの難民を受け入れています。対して、日本が難民として受け入れたのはわずか6人。

財政の問題、生活習慣の違い、宗教観の違い、テロの懸念など、難民の受け入れには多くのデメリットがあります。それでも、この内戦が起こるまでシリアは世界で最も多くの難民を受け入れてきた国のひとつだったということを心に刻んでおかなければなりません。

13.米軍再建

1月27日署名。

早い話が軍備強化ですね。これまでトランプ大統領が署名してきたのは、経済政策と移民問題がメインでした。この中に軍備強化があることに戦慄。軍事力にモノを言わせることも視野に入れているのでしょうか。

怖いのは、実際にアメリカが軍事力を行使する気があるのかどうかよりも、これを受けてロシアや中国などが対抗心を燃やしているであろうこと。世界規模の冷戦は、既に始まっているのかもしれません。

2017年1月28日

IS壊滅計画作成の大統領令

雑感

デリケートで難しい問題に、ビシッと決断を下すところは評価できると思います。良し悪しは別として、ですが。

しかし、早い早い。内容よりもまずこの早さ。完全に世界がついて行けていません。内容よりも急激な変化とそれに伴う反発が怖いですよね。

世界中で巻き起こる苛烈なデモは、一触即発の雰囲気もあるように思います。歴史を紐解いていけば、戦争はいつもこうした急な変化の延長線上にありますから、第三次世界大戦も極端な話ではなくなってきた感じもします。

北朝鮮なんかもうビンビンですからね。いつでも核武装可能って言うんですから、20XX年が今年でも全然おかしくないと思います。

しかし、トランプ大統領がアメリカの代表である以上はこのまま爆走していくでしょう。アメリカ内部でも賛否はあるようですが僅差です。メディアの報道では人間のクズみたいな言われようですが、そうして矢面に立つのもまた彼の仕事です。

批判をしても、避難をしても、悲嘆に暮れても、心臓が張り裂けそうでも、おそらくアメリカは止まらないでしょう。誰もが立ち止まって選ぶことのできなかった難しい問題に対して、決定を下して舵を切り始めたのです。

欧米主導の仲良し主義の均衡が崩れた今、それぞれの国がどう舵を切るのか地力が試される時がきました。

このアメリカの独走を受けて「世界は中国・ロシア・アメリカの三国の均衡の時代になった」とも言われています。

日本としては、三国の中間に位置する地理的条件や、プーチン首相、トランプ大統領との良好な関係を武器に、三国を繋げる重要なポストを狙っていきたいところでしょうか。そうなってくると、日本主導のTPPにもまた違った価値が生まれそうです。

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