小川宏

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【訃報】小川宏アナが多臓器不全で死去。現在はうつ病をへの理解を求める講演会など

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穏やかな雰囲気で親しまれた小川宏アナウンサーが多臓器不全で亡くなりました。今年の10月半ばに体調を崩して東京都内の病院に入院。11月29日にお亡くなりになられました。

看板司会を務めた「小川宏ショー」は、昭和57年までの17年間で4451回も放送され、その他歌番組などでも司会者として活躍しました。

その後、うつ病を患い、克服した体験をまとめた本を出版。各地で講演会を行い精力的に活動していました。

周囲に少なからずうつ病を患ったことがある人を知っていて、私自身もうつ病を患ったことがある身として、簡単にではありますが、小川宏さんの活動のことを紹介したいと思います。

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小川宏アナウンサー

小川宏

引退して久しいので、若い人にはあまり馴染みがないかもしれませんが、小川宏さんは、全国的な知名度を誇った超大物アナウンサーです。

1955年から1965年まで司会を務めた『ジェスチャー』という番組で活躍し、引退後は『小川宏ショー』の司会を17年間務めました。

『小川宏ショー』は、『笑っていいとも!』のタモリさんがこの記録を塗り替えるまで、ギネスブックに登録されていたほどの長寿番組です。

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本人も気付かないうちにうつ病に

同番組の終了後、カゼを引いたような具合の悪さから、気付けば自殺未遂をしてしまうほど重いうつ病を患っていたといいます。

慢性的なだるさが続き、何をするにもやる気がでず、人に会うのもおっくうで予定された会合は全てキャンセル。ついには妻に宛てて遺書を書いてしまうほど。

奥さんは『印が押されてないからダメね』などと冗談を交えて笑い飛ばしていたそうです。小川さんは、後日談で「この対応はとてもありがたかった」と語っています。「騒がれでもしたら余計に落ち込んでいたかもしれない」と。

愛する人が自分に宛てて遺書を書いている……、そんな奥さんの心中を思うと張り裂けそうな気持になりますね。

しかし、小川さんの病状はとても重く、それから二月後、朝4時に近くの踏切に向けてフラフラと出かけてしまいます。あの遺書に書いたことを決行すべく。

彼を思いとどまらせたのは、NHK時代によく仕事で一緒になった山谷親平さんの「自殺は愚かものの行為なり」という言葉でした。そして、奥さんと子供たちの顔が浮かび、目の前を電車が通り過ぎた瞬間、その場に崩れ落ちたといいます。

立ち上がるのがやっとのフラフラの状態で家に戻ると、心配した奥さんが待っていました。事情を話すと、「とにかく病院へ行こう」という話になり、それからようやく診療をうけることになりました。

恐ろしいうつ病の足跡

うつ病で恐ろしいのは、“人を選ばない”ということです。

小川さん自身、「自分はストレスを溜めない方だから、うつ病なんかにかかるはずがない」と思っていたそうです。気付かないうちにストレスを溜めているということは、普通にあるんですね。

もっと恐ろしいのは、それに気付いた時が正しく負のスパイラルの入口であるという点。

うつ病を進行させる負のスパイラル

うつ病にかかった人を見ると、だいたいの人がその人を“怠け者”だと思います。

これは考え方や偏見というよりも心象の問題なので、そう思ってしまう人を責めることはできません。

一番の問題は、本人ですらそう思ってしまうところにあります。そして、周りの人に対して「申し訳ない」「情けない」という気持ちが常について回ります。その気持ちがストレスになり、一層うつ病を重くしてしまうのです。

小川さんも例外ではなく、とにかくだるい、疲れる、食欲がない、眠れない。そんな症状と9年間付き合っていくことに。

うつ病の克服

薬を飲み始めて7年間の闘病の末、小川さんは見事うつ病を克服されました。

彼は言います。

「“うつ病かも…”と思ったら、迷わず恐れず、精神科、心療内科といった専門医に診てもらうこと。病院で診てもらい、治療を受け、薬を飲む。大切なのは、治そうと言う気持ちはもたないこと。この病気は気力で治るのではなく薬で治すんだからと割り切って、とにかくよく眠り、ゆっくり気長に付き合っていれば、必ず治ります。一般的に、薬にはできるだけ頼るなというのはありますが、この病気に関しては薬だと、僕は思っています。今は抗うつ剤にしても睡眠剤にしてもほとんど副作用のない、いい薬が開発されているので、薬の力を借りて良くなった方がいいんです。」

UTU-NET 「うつ」を克服した人達 より引用

以来、小川さんは自身の体験をまとめて執筆し、うつ病と戦う人や社会へ向けて、うつ病への理解を深めるための講演会などの活動を精力的に行ってきました。

まとめ

うつ病は本当に厄介な病です。うつ病と戦うには周囲の理解が何よりも必要だとはよく言われますが、それは「最低限」の話です。

周囲の理解がなければ、治療もクソもありません。その前に現実が立ちはだかってくるからです。

世間的な心象や人間関係などの問題はもとより、金銭的な問題に直面して生活そのものがままならなくなるケースも多々あります。うつ病が……なんて言ってられないほど追い詰められている人もたくさんいます。

個人個人のリテラシーはもちろんですが、この問題は社会全体で取り組まなければ到底解決は望めないと思います。そのためにも、一人でも多くの人に「うつ病」のことを正しく理解してもらえればと思います。

他人事ではありません。うつ病は人を選びません。何がきっかけでいつ自分がなるか分からないんです。その時に、少しでもうつ病のことを知っていれば、自分自身はもちろん、辛い思いをしている周囲の誰かの助けになれるかもしれません。

その第一歩として、まずは小川宏さんの本を手に取って頂ければと思います。

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