もともとハロウィンの仮装はお化け・ドラキュラ・魔女など、「ホラーな何か」と相場が決まっていました。しかし今では「なんでもあり」になっていて、それぞれが思い思いの仮装を楽しむ日になっています。

さてさて、そもそもなんでハロウィンの日に仮装をするようになったのでしょうか?一体、ハロウィンの仮装にはどんな意味があるんでしょう?

調べてみると、実は2014年の喫茶店でお茶を楽しむ大量のフリーザ様は、ハロウィンをとても由緒正しく楽しんでいることが分かりました。

大人が仮装をして街を闊歩する姿に苦言を呈する声もありますが、ハロウィンの大人の仮装は実は間違っていなかったんです!

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ハロウィンの仮装の起源

もともと、ハロウィンの仮装は、起源となったサウィン祭の“仮面の魔除け”に由来していると考えられています。サウィン祭については、別の記事で詳しく解説しているのでそちらを参考にしてください。

そこで気になるのは「なんで仮装が魔除けになるんだ?」というところ。これについては、主に2つの説が語られています。

  • 仮装で怖がらせて追い払う説
  • 仲間だと思わせてスルーする説

さてさて一体どういうことなのか、順に見ていきましょう。

仮装が魔除けになる理由

怖がらせて追い払う説

「悪霊=怖い=怖がらせて退ける」という解釈から生まれたこの説。特に、ハロウィンの風物詩「ジャック・オ・ランタン」の顔が怖く作られるのは、悪霊を怖がらせるためだという話がまことしやかに語られます。

ところで、「ジャック・オ・ランタン」は魔除けになるのかというと、これがどうも怪しい。アイルランドの伝承から生まれた「ジャックの伝承」は寓話的に伝えられ、怖がられるようになりました。

昔、嘘つきで怠け者なジャックという鍛冶屋がいた。

ある年のハロウィーンの日、ジャックは酒代欲しさに悪魔に魂を渡す約束をしてしまう。

やがて悪魔が魂を取りに来ると、ジャックは悪魔すらも騙しおおせて「魂を取らない約束」をさせた。

しかし、いざ死んで地獄の門の前に行くと「魂を取らない約束」のため地獄にすら入れなかったのだ。

呆然としながら「どうすればいい?」と尋ねるジャックに、悪魔は「もと来たところへ帰れ」と諭すのだった。

門の前で悪魔に手渡された“地獄の炎の残り火”をカブをくり抜いたランタンで守り、ジャックは今も現世を彷徨っている。

なぜカボチャ?ハロウィンのジャック・オ・ランタンの意味と由来。 より引用

というわけで、ジャック・オ・ランタンは天国にも地獄にも行けない死者の魂を象徴するもので、いわゆる“火の玉”なんですね。「火の玉が魔除けになる」というのも、どうにも納得のいかない話です。

そもそもハロウィンの起源となったケルトの宗教観には地獄というものがなく、ジャック・オ・ランタンはキリスト教の影響が指摘されています。ところが、ハロウィンの歴史を分かりやすくまとめた記事でも解説しているように、今ではハロウィンの宗教的な意味はほぼ消滅してしまっています。

お祭りの中で“魔除け”ということだけが広く伝わって、ハロウィン独特のおどろおどろしい雰囲気が相まって、ハロウィンの仮装は「怖い+魔除け=怖がらせて追い払う」という解釈で「悪霊を怖がらせて追い払う説」が信じられているのではないでしょうか。

仲間だと思わせてスルーする説

<ハロウィンは死者の魂が帰ってくる日ですから、その時に悪霊も一緒に帰ってくると信じられてきました。その日に外を歩く時は、悪霊に仮装して仲間だと思わせることで被害を避けている、というのがもうひとつの説です。

一見、信ぴょう性がありそうな説ですが、死者の魂や精霊を悪い霊と良い霊に分けるのはキリスト教の考え方です。

ケルトの自然宗教では、精霊は等しく敬うべきものでした。だから収穫祭でもあったその日は収穫物を火にくべ、災害をもたらす精霊も同じようにもてなして、感謝を捧げます。

このことから、私は“仲間だと思わせてスルーする”という考え方は、仮装をする理由に後付けされたものだと思います。

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ハロウィンに仮装をする本当の理由

繰り返しますが、ケルトの自然宗教では、精霊は等しく敬うべきものでした。

ケルトのサウィン祭では、司祭が悪霊になりきって焚き火を囲い、収穫物を火にくべることで捧げものを「受け取った」としたと言われています。

ケルト人が信仰する自然宗派「ケルト神話」では、死者や精霊が暮らす“他界(あの世)”と私たちが暮らす“現世(この世)”は折り重なるようにして存在しています。漫画「ベルセルク」を読んだことがある人はイメージがしやすいでしょう。

ケルトの「他界」は「地獄と天国」に分け隔てられておらず、“災いをもたらす精霊”と“恵をもたらす精霊”も同じ精霊であり、善悪で区別されません。精霊がもたらす災いもそれは“人間にとって”というだけのこと。つまり、古代ケルト人にとっては闇もまた偉大なる自然の循環の一部だったのです。

ここで、この説の信ぴょう性を裏付けるために、あの有名な「Trick or treat!」のフレーズの意味を改めて考えてみましょう。

「Trick or treat!」の本当の意味

「Trick or treat!」は一般的に「お菓子かいたずらか」という日本語の意訳で知られていますが、本来の意味はこう。

Treat me or I’ll trick you./良くしてくれなきゃ惑わすぞ(直訳)
  • Treat:待遇する、施しをする(語感・人やものを良くなるように扱うイメージ)
  • Trick:だます、惑わせる(語感・明確な目的のためにだますイメージ)

ハロウィンのこの日、子どもたちは悪霊になりきって、施しを受けるのです。大人たちは、子供たちに「Trick or treat!」と言ってもらい、悪霊にもハロウィンを楽しんでもらうために施しをします。

「おかしかイタズラか」という意訳が広まっているのは、子供たちにとって施しはお菓子で十分だったということ、そして子供にできるTrickと言えばイタズラぐらいしかなかったことに由来します。

ハロウィンに仮装をする本当の理由は、「災いをもたらす精霊として施しを受けること」そのものにあるのです。

まとめ

さてさて、今回はハロウィンの仮装の理由を、起源となったケルトの宗教観から紐解いていきました。日本でも身近なイベントとして親しまれているハロウィンですが、実は、確かなことはほとんど解明されていません。

子どもがお菓子をもらって訪ね歩くのは、「祭りの用意のために収穫物をもらい歩く大人を真似ている」という説もありますし、いつから「Halloween」と呼ばれるようになったのかさえ分かっていないのです。

ですので、仮装をする理由なんて、あってないようなものです。「怖がらせて追い払う」と解釈しても良いですし、「仲間だと思わせてスルー」していると思っても構いません。今のハロウィンにとっては、“何が正しいのか”なんてほとんど意味のないことです。

ですが、私は「悪霊も一緒に楽しもう説」が現代のハロウィンには良く合っていると思います。なので、実はフリーザ様が喫茶店でお茶を楽しむのは、ハロウィンの由緒正しい楽しみ方なのではないかと思うわけです。

「ハロウィンの仮装は子どもがするもの」なんて決まりはありませんし、ましてや「お化けにしか仮装してはいけない」なんてルールもありません。

ですので、ナースだろうが、ポリスだろうが、天使だろうが、マリオだろうが、野菜だろうが、ウォーリーだろうが、松田優作だろうが、フリーザ様だろうが、もうなんでもありなんです。

人間も悪霊もアニメキャラも誰もが一緒に楽しめる、誰もがその日1日を最高に楽しかったと思える、そんな祭りだからこそ、紀元前から今に至るまで長く愛され続けてきたのかもしれませんね。