昔から月には特別な魔力があると考えられてきました。

今でも満月の夜に行われる儀式やお祭りが数多く残っていますし、農業の世界では未だに新月の日に種をまく風習がある地域もあります。

近年では月の満ち欠けが体とメンタルに及ぼす影響について、科学的に実証、または否定しようとする動きもあります。

研究の面だけではなく、今の私たちの生活の中でも月の与える影響の話はあちこちでされていたりします。

特に女性は月経による問答無用の体調と感情の変化を身をもって体感しているためか、月とバイオリズムの関係を真剣に考えて生活している人も少なくありません。

さて、月の満ち欠けは本当に私たちの心や体に影響を与えているんでしょうか?

Sponsored Link

満月は人の感情を高ぶらせる?

昔から満月の日は「感情の揺れが大きくなる」と言われています。

満月の日には重大事故や凶悪犯罪が増えるといった統計があったり、引力の関係で右脳と左脳が入れ替わるなんて話があったり。

そんな話が世界中でまことしやかにささやかれるものですから、科学の方面でもこの事を解明しようと様々な研究がなされてきました。

科学的には「月の満ち欠けは人に影響を与えない」

「バイオタイト理論」

科学的な研究で最も有名なのはアーノルド・L・リーバー医師による「バイオタイト理論」でしょう。

月の引力が犯罪や交通事故、出産、心臓病に影響するという統計をもとにした研究成果で、日本国内でもかなりセンセーショナルな話題となり、現代で月の魔力が信じられるきっかけにもなりました。

しかし、オカルト誌も飛びつく盛況ぶりに反証も多くなされ、いくつもの問題点を指摘されて、現在では「穴だらけ」として嘲笑の的になることもしばしばあるようです。

「ラバル大学の心理学研究」

今回の研究を行ったのはカナダにあるラバル大学の心理学者の研究チーム。彼らは精神的な疾患が理由で入院している770名の患者を3年間にわたって調査した。パニック障害や自殺行動、原因不明の胸の痛みなどを抱えている患者だ。

研究チームがこうした患者の症状と月の満ち欠けとの関係を調査したものの、因果関係は確認されなかったという。満月前の1週間は不安発作の発生症状が32パーセント低下したというのが唯一確認された「傾向パターン」だったそうだ。

「今回の分析によって、精神的な症状と月の満ち欠けの関連性は全く無いことが証明されました」と研究チームのGenevieve Belleville教授は言いきっている。

研究チーム「満月は人を狂わせない」「月の満ち欠けは人の精神状態に影響を与えない」 | ロケットニュース24 より引用

これは最近2012年頃に発表された研究成果で、月と人間の関係性を完全に否定するものでした。

他にもさまざまな研究成果があげられていますが、そのほとんどは「月の満ち欠けと人間の心や体は関係がない」という主張を強めています。

数少ないですが肯定する論文も発表されていますが、やはり「バイオタイト理論」と同じように問題が指摘され、「月の魔力」を証明するには至っていません。

「一般的にも『関係はない』」

これらの研究成果に呼応するように、一般的にも「関係はない」という見方が強まってきているようです。

ネットで検索をかけると、例えば次の様な意見がよく見られます。

  • 満月の夜は外が明るいから犯罪が多いのは当たり前
  • 太陰暦を採用している国でとった統計なので給料日や祭典などが月の動きと重なり、必然的にトラブルは増える
  • 月の引力は実際に人の体に影響を与えるほど強いものではない
  • 女性の月経周期が月の周期に近いのはただの偶然。同じ霊長類でもチンパンジーは34~35日、ゴリラで30~39日。

というわけで、結局のところ「あるかどうかも分からないものに生活を預けることはできない」として、信じな方が妥当というところに落ち着いているのが現状のようです。

まとめ

このように、どちらかと言えば否定的な風潮が強いわけですが、実は科学の分野でも完全に「ない」と証明できる成果はあげられていないのが現状。

それに科学は「完全に万人に証明できる」ことが絶対条件ですから、100%の答えが見つからなければ「関係ない」というスタンスを崩すわけにはいきません。

しかし、現象として完全に確認できるにもかかわらず、科学の力では証明出来ないものも数多くあります。加えて「完全に万人に証明できる」というのが絶対の条件であれば、完全に証明できるものの中でしか考えが進みません。

このことから「科学が否定した=関係ない」と結論づけるのはちょっと早すぎるような気がします。

個人的な意見

そんなわけで、個人的な意見としては「他に影響する要素が多すぎて月の影響だと特定するのが難しいだけなんじゃないのか」と思っていて、おそらく影響はあるだろうというのが本音。

というのも、私たちには過去に太陰暦を使用してきた実績があるわけです。加えて月の魔力を証明、または否定しようとする動きそのものが、それが存在する証明になっているという考え方も無きにしも非ず。

まぁさすがにそれはちょっと極論すぎますが。

そこで、ちょっと視点を変えてみて科学とは違う方向から考えてみることにしました。と言っても、占いとかスピリチュアルとかそっち側からではありませんよ。

理屈の通らない話をするつもりはありません。

次回は、哲学の方面から音楽を引き合いに出して、月と人の関係を掘り下げていこうと思います。

8/22追記
月の満ち欠けの精神・感情への影響を音楽の方面から考えてみた