シン・ゴジラのすごいところをネタバレなしで語りたい

シン・ゴジラ、動画サービスでも見放題に来てるんで久し振りに見たんですけど、やっぱ面白かった。

最初は「ゴジラなんて怪獣映画だしあんま興味ないなー」ぐらいに思ってたんですけど、ツイッターで色んな人に「良いから黙って見てこい」と言われ、見に行って本当に良かった……と感動したのが2年前。

DVD買って何度も見て、地上波でやったのを見て、Amazonプライムビデオで見て、本当に何回でも見れてしまう。

まだ見てない人はホント見て。

今すぐ見て。

多分、見たことないって人はもうほとんどいないと思うんだけども、何が面白いのかっていう話をできるだけネタバレなしで語りたい。

圧倒的なリアリティ

ゴジラはゴジラなんですけど、今までの「怪獣映画」と一線を画すのは「怪獣が出たから戦うぞ」という簡単な構図ではなく、ゴジラが予測不能の大災害でしかないということ。それもそのはずで、庵野監督は脚本を執筆する段階から防衛省・自衛隊に協力を依頼。“実際にゴジラが現れた場合”にどう対処するかを現実的なレベルに掘り下げているんだとか。

「ゴジラが本当に日本に現れたらどうなるのか」これだけでも十分興味をそそられませんか。

で、日本にゴジラが上陸して街を破壊している間、政府では駆除・捕獲・排除の3つの選択肢を検討してるんですよ。そんなことしてる間に、後手後手の後手。

「前例がないもので」「現場を見ないことには」と、判断しかねているうちにどんどん被害が拡がっていきます。

シン・ゴジラ公開時、3.11の原発問題や東北大地震の記憶がまだ新しかったこともあり、被災、復興、支援、あらゆる立場で災害に関わった僕らの目には、他人事とは思えないリアリティが横たわっていたんじゃないでしょうか。

あの未曾有の大災害の裏側でもこんな感じで事が進んでいたのかと思うと、悲しいやらやるせないやら。

とことんリアルなのに王道

ここまでとことんリアリティを追求しているのに、話そのものは王道中の王道に収まってるんですよね。

「困難に出会い一度はくじけそうになるも、成長し、乗り越えていく」っていう、古今東西、絵本から神話にまで語り継がれる物語の王道で、「シン・ゴジラ」の根幹のエピソードは至ってシンプル。あれだけ込み込みなのに。ここが個人的にシン・ゴジラの一番すごいとこだと思います。

庵野監督が最初に台本を持ち込んだ時、映画関係者は「絶対に2時間に収まりません」と難色を示していたそうですが、それだけ詰め込んで余計なエピソードが一切ないっていうのはすごいことじゃないかと。ちなみに、その台本は実際に庵野監督が招集した声優さんに読んでもらって、収まることを確認した上でそのまま使われているそうです。その声優さんは、出演こそしていませんがキャストに名前があるんだとか。

業界側は主人公とヒロインの恋愛エピソードを盛り込もうと躍起で、庵野監督が最後まで突っぱねて今の形に収まったと聞いています。本当に庵野グッジョブとしか言いようがない。そんなもの盛り込まれた日には一気にリアリティもクソもなくなってしまう。

主人公はゴジラ

でも、やっぱり「シン・ゴジラ」の一番の主人公はやっぱゴジラなんですよね。ゴジラが如何に人類にとって脅威かを淡々と表現していて、そのためのシンプルなストーリーと圧倒的なリアリティなんだと思うわけです。

だって、「ゴジラヤバかった」だけで何回見ても面白い。

確かに、3.11や東北大地震のような大災害と重ねても見れますし、原発とゴジラを重ねて見ることもできます。リアリティがあるが故に響きまくるところはあるんですけど、どこまで行ってもエンターテイメントっていうのが、この映画の一番いいとこだなーと。

考えることはたくさんあるんだけど、「考えさせられる」まで行かないというか。

日本らしい

泥臭い感じで始まって、泥臭く頑張って、終わり方まで泥臭くて、なんとも日本らしい映画でした。「あなたの国は誰が決めるの?」って、ですよねー!他にも政治・行政あるあるが満載。「日本らしい」っていう目線で見ると、社会派としてもユーモラスに描けていたと思います。若干、乾いた笑いではありますが。

「会議を開かないと動けないことが多すぎる」「手続きを踏まないと会見も開けない」「政府レベルになると議事録が残るからロクに発言もできない」とか、みんなが思ってることを自虐として言ってくれるから共感できすぎる。

お役所の人もうんざりしてるんですね。

一方で、海外ではそんなにウケなかったらしいです。「政治家のやり取りとか、記者会見で適当なこと言っちゃう経緯とか、ああいう日本特有の泥臭い感じが受け入れられなかったんじゃないか」という感想をあちこちで耳にします。ヤシオリ作戦も海外から見れば地味っちゃ地味なのかなぁ。そもそも日本政府の仕組みを知らない外国人にとっては意味わからんかったでしょうね。

いや、あのセリフの量で、あのスピード感、さらにあの字幕でまくし立てられたら、言葉が分からないと普通に疲れるのかもしれない。

でもこういう「日本らしい映画」って、昨今貴重だと思います。外人にどう評価されようが「これが日本のゴジラだよ」って胸を張って言える。日本映画界だって、ジャニーズやらアイドルやらがキャーキャー言われてるだけじゃないんだよ!

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